フリーランス(個人事業主)にとって確定申告は避けて通れないものです。フリーランス歴10年、その間「昨年は働きすぎたから今年は仕事量をセーブしよう」「事業拡大のため、今年は学びに時間を使おう」という年もあって、年収はかなり変動があります。また配偶者や扶養家族がいないので、所得控除で差し引くことができる項目も少ない独身貴族ならぬ独身貧乏(笑)。そんな中、少しでも節税するためにはどうしたらいいかを調べて実践してきました。今回は、私が実践しているフリーランスが活用できる節税方法を詳しく解説します。
独身フリーランスが節税できる方法
フリーランスが節税を考える3種類の税金
- 所得税
- 住民税
- 消費税
この3種類の税金を、適切な節税対策をとることで軽減しています。上記以外に「個人事業税」もありますが、課税される業種が限られており私は該当しません。節税対策を実践できないので「個人事業税」については説明を省きます。今回は「所得税」「住民税」「消費税」の3種類の節税について書いています。
所得税と住民税の節税のポイントは「経費」と「控除」
フリーランスとして節税を考えるとき、まずは経費と控除について理解することが大切なポイントです。経費や控除は、所得から差し引くことで課税対象の所得を減らせます。結果として、所得税や住民税の支払いを減らすことができるんです。正しい知識を持っていないと、本来より多くの税金を支払ってしまうことになるので、気をつけたいところです。
経費①必要経費を正しく計上する
事業に関する支出は、すべて必要経費として計上可能です。
経費は、それぞれの内容に応じて分類し、記録していきます。取引の内容をわかりやすく分類するために使用される簿記の科目を「勘定科目」と呼びます。
経費には様々な種類がありますが、私がよく使うものをいくつかご紹介します。経費として認められるかどうかは、その費用がどれだけ仕事に関連しているかで判断されます。少しでも仕事に関係している場合は、経費として計上することができますので、領収書やレシートは必ず保管しておきましょう。確定申告直前に、高額の領収書が見当たらない!なんて、慌てないように気をつけてください(私の経験談)。
| 勘定科目 | 項目 |
|---|---|
| 消耗品費 | 文房具や10万円未満※のパソコン、プリンターなど |
| 交通費 | 仕事で移動したときの電車、バス、タクシー代など |
| 通信費 | スマホ代、インターネット料金、郵便料金など |
| 会議費 | 会議室のレンタル代、カフェで打合せをしたときの飲食代など |
| 接待交際費 | 取引先との会食費など |
| 外注費 | デザイナーやライターへの支払いなど |
| 新聞図書費 | 事業に関係のある書籍や雑誌、新聞の購入費など |
| 研修費 | 事業に関係のある勉強会やセミナー参加費など |
| 宣伝広告費 | 事業に関する広告の掲載料金、名刺作成費など |
| 家賃 | 自宅兼事務所の場合は按分計算 ※次の項目で詳細を説明しています |
経費②家事按分を活用する
自宅を仕事場としている場合、家賃や光熱費などの一部を経費として計上できます。事業に使っている割合を明確にし、合理的な按分方法を用いることが重要です。ちなみに私は、1日24時間を100%とし、そのうち仕事をしている時間の平均で割合を計算しています。家賃だけでなく、部屋の照明やエアコン、パソコンなども使っているので電気代他の按分も忘れないよう気をつけましょう!
経費③計上タイミングを調整する
経費を計上するタイミングを調整することで、所得の変動をコントロールできます。たとえば、利益が多い年に必要な経費を前倒しで支払い、翌年の所得を抑える戦略を取ることが可能です。
怪しいことをしているわけではなく、事業で使用するためにいつか使わないといけない経費(10万円未満のある程度高額な電子機器の買い替えなど)を、売上が多い年に計画的に使うという意味です。
私は年によって所得の変動が激しいので調整しています。
控除①独身フリーランスが受けられる所得控除
フリーランスとしての売上から経費を引いた金額が事業所得となります。そこからさらに所得控除を受けて差し引かれた残りの金額に税率が掛けられます。
所得控除は14種類ありますが、悲しいことに独身には無関係の控除もあります。配偶者も扶養家族もいない独身フリーランスが受けられる所得控除は以下になります。
| 所得控除 | 内容 |
|---|---|
| 基礎控除 | 確定申告をすれば誰でも受けられる控除で金額は38万円。 |
| 医療費控除 | 1年間に支払った医療費が10万円以上か、所得金額の5%以上になった人が受けられる控除。所得が200万円未満の場合は、後者の条件で計算するべし。 |
| 社会保険料控除 | 健康保険、年金など1年間の社会保険料の全額を控除。 |
| 生命保険控除 | 生命保険に加入している場合、一定の金額を控除できる。年末ごろに、保険料控除用の証明書が届くので、それを確認して申告。 |
| 地震保険料控除 | 地震などの災害による住宅や家財の損害を補償する保険に加入している場合に受けられる控除。私は賃貸マンションなので加入してます。こちらも証明書が届くのでそれをチェック。 |
| 雑損控除 | 自然災害や盗難などによる損害を受けた場合に受けられる控除。 |
| 寄附金控除 | 国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、特定寄附金を支出した場合に受けられる控除。 |
| 障がい者控除 | 自身(または扶養家族)が所得税法上の障害者に当てはまる場合に受けられる控除。 |
| 小規模企業共済等 掛金控除 | 小規模企業共済や、iDeCo(個人型確定拠出年金)などに加入している場合、その全額を控除。※詳細は後述 |
私が使える控除は上から5種類のみ、ただし「医療費控除」は支払額が少ないので条件に当てはまらず(健康という意味なので良いことです!)。障がいも有難いことにありませんので、「障害者控除」もなし。なお「雑損控除」は、数年前にスマホ盗難に遭ったときに使えたはずなのですが、すっかり忘れました…。
また、ふるさと納税を活用していれば、自己負担額2,000円で「寄付金控除」を受けつつ返礼品を受け取ることができます。ただ、これは住民税を前もって払っているに過ぎないので節税にはなっていません。それでも2000円でそれ以上の価値のある返礼品がもらえるため、食品や生活用品を選べば生活費の節約にはなります。フリーランスでも十分に活用できる制度なので、上限額を確認しながら利用していきたいですね。
そして「小規模企業共済等掛金控除」については、これから加入を考えているので、来年以降は節税になると思います。
ここには記載しませんでしたが、独身フリーランスでも離れて暮らす親を扶養家族にして「扶養控除」を受けることもできます(仕送りをしているなど条件もありますが)。私の場合は、両親健在で所得税も払っているので、扶養にはできません。
控除②小規模企業共済に加入する
小規模企業共済は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。掛金が全額所得控除の対象となります。月額1,000円から最大7万円まで500円単位で自由に設定でき、加入後も増額・減額が可能。長期的な節税効果が期待できます。
私も以前から加入しようと思いながら、行動できていませんでした。節税効果もありつつ、退職金のないフリーランスには有難い制度だと思います。私も重い腰をあげなくては。
控除③iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する
iDeCoに加入すると、掛金が全額所得控除の対象になります。老後資金の形成と節税を同時に実現できるため、フリーランスにとって有益な制度です。
わかってはいたのに、私はまだ加入していません。NISAはやっているのに(笑)。「NISAとiDeCo、どっちがいいの?」という論争もありますが、節税効果を期待するならiDeCoから、資金に余裕があるならどちらも。と思っているのに、なぜNISAから始めたんだ、私。iDeCoもこれから始めようと思います。
控除⑤青色申告を活用する
青色申告は、最大65万円の特別控除を受けられるメリットがあります。適用要件は「複式簿記」「貸借対照表と損益計算書を添付」「期限内に提出」と、e-Taxによる申告(電子申告)又は優良な電子帳簿の保存です。
e-Taxで申告しないと55万円しか控除されないのです。10万円の差は結構大きい。この要件が追加されてからe-Taxによる申告をしましたが、簡単スピーディーで楽でした。節税効果が高くフリーランスにとって大きなメリットとなります。
ただし青色申告をするためには税務署に「青色申告承認申請書」の提出が必要なので、確定申告の締め切りが迫ってから白から青に変えたいというのは残念ながら無理な話です。私もフリーランス1年目はよくわからず白色で提出し、特別控除が受けられませんでした。後から考えるとちょっと損した気分です(笑)。
なお、フリーランスにオススメのクラウド型確定申告ソフトは「やよいの青色申告 オンライン」「マネーフォワード クラウド確定申告」「freee」など。私は「やよいの青色申告 オンライン」を利用しています。特に他のソフトと比較して選んだわけではありませんが、この3つの中ではいちばん料金が安かったです(笑)。
消費税は2割特例を適用する
売上1,000万円以下の場合は、免税事業者として消費税の納税が免除されていました。令和5年10月1日からインボイス制度が導入され、私も含めてフリーランスの方々、かなり混乱していましたよね。私は慎重に検討して適格請求書発行事業者の登録をしました。
私のようにインボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった場合に2割特例が受けられます。
売上にかかる消費税額から売上税額の8割を差し引いて納付税額を計算します。つまり実額での計算が不要となります。売上11万円(税込)の場合、消費税額は1万円ですが、2割特例で納税額は2000円となります。実際に仕入や経費にかかる消費税額が8000円を超えていたら損していることになりますが、私の仕事内容でその額がかかることは現実的ではないので、2割特例のほうが節税になります。
2割特例は令和8年9月30日までが適用期間になります。今から令和8年の確定申告が面倒になりそうで憂鬱ですが、それまでに通常の計算方式を理解しておきたいと思います。
まとめ:独身フリーランスの節税対策
独身フリーランスの節税について、私が実践している方法をまとめました。
税制は「家族持ち」にお得になっていて、同じ世帯年収1000万では1年の手取り額が約50万円の差になるそうです。圧倒的に独身のほうがコスパが悪いので、「チリも積もれば山となる」の節税を頑張るしかありません。
まあ、その分稼げばいいじゃんと考えることもできますが(笑)、所得が高くなってきた場合は、法人成りを検討したり、税理士に相談したりして節税対策を考えていきたいですね。
とりあえず、確定申告はしっかり期限までに完了させましょう!
